【オリィ研究所/笹山】「望まない孤独」の解消
プロフェッショナルファーム出身者が共感した「人間だからこその価値」への挑戦
転職者インタビュー
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#笹山正浩
2021-11-11
【オリィ研究所/笹山】「望まない孤独」の解消 プロフェッショナルファーム出身者が共感した「人間だからこその価値」への挑戦

監査法人・コンサルティング会社、メガスタートアップの経営企画という華々しいキャリアから、アーリー期のスタートアップで取締役CFOとして活躍する笹山さんに、「孤独」という社会課題の解決に挑戦する背景や想いについて語っていただきました。



笹山 正浩(ササヤマ マサヒロ) さん

株式会社オリィ研究所 取締役CFO

中央大学卒業。公認会計士資格保有。有限責任監査法人トーマツに入所。大手クライアントを担当した後にデロイトトーマツコンサルティング合同会社へ出向、転籍。株式会社メルカリに転職し上場後の同社ファイナンス部署を経験。2020年3月にオリィ研究所に入社、同年10月にCFO就任、2021年3月に取締役就任。


AIではなく、敢えて人が介在する分身ロボットを通じて「望まない孤独」を解消する

・監査法人、コンサル、メガスタートアップというエリート街道から、自分ごとで取り組める社会課題に共感しアーリー期のスタートアップへ。

・創業取締役3名に臆することなくコーポレート機能のヘッドとして全社の組織力向上をリード

・ポジションも年収アップも自分で勝ち取る気概が必要。それがスタートアップで活躍するための最低条件。

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AIではなく、敢えて人が介在する分身ロボットを通じて「望まない孤独」を解消する

ーーオリィ研究所のミッションや事業についてお聞かせください。

弊社は「コミュニケーションテクノロジーで人類の孤独を解消する」をミッションに事業を展開しています。「望まない孤独」が生じる要素である移動・対話・役割に対し、どういうソリューションがあるかというのを代表の吉藤が考えた結果、自分のもう一つの身体である分身ロボットが一つの解となり、現在のプロダクトとなっています。分身ロボットのOriHimeが、移動の障がいを超え自分の分身となって外に出て、コミュニケーションを通じて役割まで担う。当初はALSなどの重度障がい者の方を中心に利用頂いていたOriHimeは、現在では様々な方に利用され、その用途も単にテレワークに留まらない広がりを見せています。


ーーどのような社会課題を解決しようとされているのでしょうか。

そもそも吉藤が考えていたことは、「例え寝たきりになっても会いたい人と会えて、仲間とともに働き、自分らしく生きられる社会」をどう作っていくかでした。何らかの理由や、障がいをお持ちで、外に出れない外出困難者の方々の課題を解決したい、その方々が、いつまでもベッドの上で天井を眺めているのではなくて、障がいを超えて移動や対話ができ、そして役割まで持つ世界をつくりたいという想いから始まっています。いまではこの想いに多くの企業様が共感をしてくださり、様々なプロダクト活用事例が生まれています。


ーー具体的にはどのようなプロダクト活用事例があるのでしょうか。

OriHimeの活用事例として、モスフードサービス様のアシストセルフレジの事例を紹介します。まやちゃん(酒井 麻椰さん)という方は、脊髄性筋萎縮症(SMA)という病気のため、外出して働くことが困難なのですが、OriHimeキャストとしてモスバーガー大崎店のオーダーのお手伝いやメニュー選びの相談などをして働いています。ちなみに彼女は兵庫県から遠隔でOriHimeを操作して接客をしています。

OriHime以外の他のプロダクト・サービスとしては、介助のいらないデジタル透明文字盤「OriHime eye+switch」、分身ロボットが接客を行う「分身ロボットカフェDAWN」、就労支援サービスの「AVATARGUILD」などを展開しています。


ーーAIなどで自動化するのではなく、敢えて人を介したコミュニケーションにしているのでしょうか?

仰る通りでして、OriHimeは「自分の分身になるロボット」というコンセプトですので、AIは搭載していません。AIではなく、ヒトの分身だからこそできる新しい出会いや繋がり、発見を大切にしています。

今年6月に日本橋にオープンした「分身ロボットカフェDAWN」は、実はVer.βという名称にしています。人間だからこその「失敗」や、それを超えた先にある「成長」も含めて見ていただきたい、一緒にその成長を温かく見守ってほしいという想いが込められています。カフェのOriHimeを通じて、コミュニケーションをしたご高齢のお客様からは、「息子と喋っているみたい」と言って頂きました。それこそAIではなく人間だからこその価値を感じていただていると思います。


監査法人、コンサル、メガスタートアップというエリート街道から、自分ごとで取り組める社会課題に共感しアーリー期のスタートアップへ。



ーー笹山さんのこれまでのキャリアについてお聞かせください。

新卒で入社予定の証券会社の粉飾決算発覚を機に入社を辞退し、色々と悔しい想いを何かに繋げねばと思い、大学卒業2か月前に公認会計士の予備校に入学しました。その2年後に公認会計士の資格を取り、監査法人トーマツに入りました。メインクライアントであるメガバンクの財務諸表監査、内部統制監査に加え、SEC上場向けの米国会計基準の会計監査などを担当し、とにかく数字漬けの6年間を過ごしました。一般的な国内事業だけでなく、金融と米国を絡めたさまざまな業務を担ってきたのですが、、監査業務を経て様々な方にお会いさせて頂く仮定で、過去の数字をチェックするばかりではなく、未来の経営や事業についてアドバイスをしクライアントに貢献したいと思うようになりました。そして監査法人出身としては王道ではない、コンサルティング会社であるデロイトトーマツコンサルティング(以下、DTC)へ移籍しました。DTCでは3年ほど、上場企業を中心としたクライアントに、CFO領域の役割・機能に関するコンサルティング業務に従事しました。数値の世界とは少し距離を置かせてもらった期間でもありました。


ーー監査法人、コンサルティング会社というキャリアから、なぜメガスタートアップであるメルカリに転職したのでしょうか?

DTC在籍2~3年目ぐらいに、クライアントとコミュニケーションがうまくいかず、「笹山さんの提案、我々は実行できません」と言われたことがありました。私は事業会社での、いわゆる実行フェーズの泥臭い実務経験がなく、外から「あるべき論」「綺麗ごと」を言っているだけなのではと感じるようになりました。そのような経験から、やはり自分も事業会社側での実務経験を積みたいと思い、スタートアップも含めて幅広く機会を探しました。業界や自分の強みが活かせる条件を絞っていった結果、経営企画(FP&A)のポジションが空いていたメルカリへ転職しました。メルカリでは、月次業績、着地予想、事業計画、中期経営計画の策定や、予算管理、社内BPR、ペイメントサービスの資金繰りなどを担当しました。


ーーメルカリは1年で辞めて、現職のオリィ研究所に転職されるわけですが、そのきっかけを教えてください。

メルカリは、優秀な方ばかりで仕事で求められるレベルも高くやりがいがありましたが、上場直後ということもあり、いわゆる守りよりの業務が多くなり、大企業的な側面も感じることもありました。また、メルカリに上場前からいたメンバーから上場前のスタートアップの面白さ・カオスっぷりなどを聞くことも多く、自分も業務経験の幅をより広げていくという意味では、上場前のスタートアップで経験を積みたいと思うようになりました。そんな中、とあるVC主催のイベントを経て、たまたま弊社代表の吉藤に出会いました。吉藤と初めて話した時には、自分のこれまでのキャリアや何ができるかというスキルの話よりも、吉藤が実現したい世界観の話についてどっぷり話をしました。障がい者の孤独に限らず、人類の孤独に対しての現状やこれから実現したいことなどを議論したことを覚えています。孤独という吉藤の現体験かつ社会課題に対して、今までにないテクノロジーを使ったアプローチで解決しようとする姿勢に、これは自分ごとで取り組むべきテーマだ、と共感したのが転職のきっかけです。


創業取締役3名に臆することなくコーポレート機能のヘッドとして全社の組織力向上をリード

ーー笹山さんのオリィ研究所でのミッションについて教えて下さい。

CFOだとファイナンスばかりやっていると思われがちですが、コーポレート機能のヘッドとして、財務・経理だけでなく法務・採用・人事労務や企画まで幅広く管掌しています。最近注力しているテーマは、上場も見据えた組織力の向上です。これまでは、共同創業者の3人を中心に、個々人が目の前の事業に集中し伸ばしてきた傾向もありましたが、これからは個々人の力を最大化させた組織力で事業を永続的に成長できるようにしなければならないと考えています。吉藤はテレビや本などメディアで外部へ発信することは多い経営者ですが、社内の部署/メンバーへの代表としての発信はあまりしてこなかったように感じており、私がその部分の言語化推進や人事評価制度の設計・落とし込みを主導し、PDCAをまわすような取り組みを行っています。


ーー取締役3名が全員共同創業者で、そこに後から大企業出身の笹山さんが入社されて取締役になられたわけですが、笹山さんは創業メンバーとハレーション起こすことなく活躍されていると聞きました。なぜでしょうか?

入社する時に覚悟を決めたのは、仮に毎日ぶつかることがあっても、自分の正しいと思ったことを絶対に伝え続けようということです。共感して入社はしましたが、迎合は求められていない。創業からこれまでの経緯ややり方に対し、変えた方が良いと思った事はどんどん伝えようと思ってました。そこでもし私の言うことに大きくズレが生じていた場合は、社外取締役も含めて第三者が正してくれるだろうと。今振り返ると、そのスタンスが良かったのかなと思っています。入社時は「ぶつかってもそれも仕事であり、進めていくんだ」と構えていたのですが、以外と「そうだね、やるべきだね」という感じで進むことが多く、まっとうな仲間に恵まれていると感謝しております(笑)。


ポジションも年収アップも自分で勝ち取る気概が必要。それがスタートアップで活躍するための最低条件。

ーー大企業出身だからこそ活かせている経験はありますか?

プロフェッショナルファームやメガスタートアップで学んだスキル、仕事の進め方は全て役に立っています。上司や同僚も優秀な方が多いだけでなく、これまでの蓄積資産である会社のデータベース/事例なども豊富なので、学ぶ内容や機会がたくさんあり、教育という面でも若い頃を過ごすにはとても良い環境だったと感じています。


ーー逆に苦しんだことはありますか?

私のキャリアの半分以上はプロフェッショナルファームという専門職でやってきまして、当然ながらそこに集まる人たちのレベルは専門性はもちろん、ビジネスのレベルも高い方ばかりでした。一方、スタートアップですと、全員がそのようなレベルにあるとは限らず、個々人によって得意不得意な領域も能力もバラバラです。私がメンバーに求めるレベルと、実際の仕事のアウトプットにはギャップがあることもあるわけですが、それにいちいち腹を立てたり怒鳴りつけたりしては関係性も悪くなり、進むものも進まなくなってしまいます。誰に何をどう頼むか、コミュニケーションの仕方も含めてかなり意識するようになりました。

余談ですが、苦しんだというよりは驚いたこととしては、テックカンパニーなのに社内のITツールの活用状況が思っていたより低かったことです。例えば、Googleカレンダーは会議予定を個々人が入れていたという話もありました笑。


ーーいま大企業にいる方にお伝えしたいことはありますか?

スタートアップ業界こそ大企業人材やプロフェッショナル人材が求められている、そしてこれからもその需要は増していくと思っています。大企業は、教育システムを経て人材レベルが総合的に高くなり、かつ層の厚さも維持できる。一方、スタートアップはマンパワー不足はもちろんのこと、教育システムも無いなかで会社成長をしていくことが不可避であり、そこにこそ大企業やプロフェッショナルレベルの人が必要であると考えます。大企業人材の方々には、本当に必要とされている場所を広くとらえ、スタートアップ業界全体を盛り上げていって頂きたいです。


ーー大企業の方が転職する際、年収面やポジションがネックになることもあると思います。

そうですね、私自身、年収は下げて入社しています。ポジションについても、最初から取締役CFOだったわけではなく、試用期間も6ヶ月ありました(笑)。最初から年収や役職を下げずに入る方ももちろんいらっしゃいますが、自分は活躍して年収もポジションを上げればいい、会社も自分が大きく進化させてやるんだという気概を持って入社しました。無いものや下がるものは、自分で作って上げればいい。スタートアップに転職する場合、年収やポジション、働く環境が整備されているか?などについては、そこまで期待しない方がいいと思います。期待すると、1人でがっかりしてしまいますし笑。入社後に自分で勝ち取るんだという気概をもった方が合っていると思います。


ーー最後に、今後の笹山さんのキャリアビジョンについて教えて下さい。

今後の私のキャリアとしては、ファイナンス領域だけではなく、コーポレート全体に広く精通したプロフェッショナルを意識してます。自分の専門的な領域をどんどん増やして、出来ることを拡張していきたいとは思います。今の会社でも、これまで経験がなかったことは、本や他のスタートアップ会社の事例などから勉強しつつ社内でたくさん実行まで落とし込んでいます。組織をステージアップさせるという面では、上場というイベントも経験が必要かと思ってます。

小さい会社のCFOだからこそ、1領域のとらわれず、複数領域管掌しながらハンズオンで広くやれることがスタートアップの醍醐味だと感じています。

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